交通情報工学

交通や物流システムの知能化と最適化

ITS (Intelligent Transport Systems)をはじめとした、交通や物流に関連する情報技術を活用して、交通流の解析、交通やサプライチェーンのネットワーク設計、交通管理制御手法や交通運用手法の提案や評価、自動車利用者・公共交通利用者・観光交通の行動分析などを行うことにより、都市や地域の交通問題の解決を目指しています。

教員

山田 忠史

Yamada

教授(工学研究科)

研究テーマ

都市や地域における交通や物流の役割について検討し、その効率的なシステムやネットワークについて研究しています。 

特に、交通・物流・サプライチェーンのネットワーク解析と最適設計、情報技術を活用した交通・物流システムの知能化・最適化などに注目しています。

 連絡先

桂キャンパス C1-2 4階435号室
TEL: 075-383-3233
FAX: 075-383-3236
E-mail: yamada.tadashi.2x@kyoto-u.ac.jp

シュマッカー・ヤンディャク ( Jan Dirk SCHMOECKER )

SCHMOECKER, Jan Dirk

准教授(工学研究科)

研究テーマ

私の主な研究テーマは、運賃体系や混雑、バンチング、リアルタイム情報などを考慮した交通ネットワークにおける交通行動のモデリングです。これに関連して、近年注目されている「シェアモビリティ」「MaaS (Mobility as a Service)」についても研究を行っています。

連絡先

桂キャンパス C1-2 4階436号室
FAX: 075-383-3236
E-mail: schmoecker@trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp

中尾 聡史

nakao

助教(工学研究科)

研究テーマ

交通は、人々の生活や、政治、経済、社会と深い繋がりを持つものであり、交通は、それらの諸活動の所産であるとも言えます。そのため、交通問題を取り扱うには、分野横断的な総合的アプローチが求められます。そこで、解析アプローチだけでなく、民俗や歴史を踏まえたアプローチにも注目して、研究を進めています。

 連絡先

桂キャンパス C1-2 4階434号室
TEL: 075-383-3235
E-mail: nakao@trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp

 研究テーマ・開発紹介

ビッグデータを活用した交通行動分析

近年,大量のデータが,交通行動の分析に使用可能となってきています.ICカードデータは,乗客の乗降を明らかにします.ETCデータは,自動車ドライバーに関する情報を提供します.携帯電話のデータは,いつどこにどのくらい人がいるのかを把握するのに役立ちます.バスGPSデータは,バスの位置とサービスの均一性に関する情報が収集できます(下図は,GPSデータに基づいて図示した京都市内のバス路線).GPSやデジタルタコグラフによって収集されたトラックのデータは,トラックの経路やスケジュールを把握するのに有用です.都市内に設置された様々なセンサーによって収集された情報は,人々の歩行パターンの理解に役立ちます.

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公共交通やシェア型交通の交通流解析

データは,交通ネットワーク上の旅客や貨物の移動をモデル化することにも役立ちます.一方で,理論モデルは,交通ネットワークの効率性について,一般的な知見を明らかにすることに役立ちます.下図は,あるバス停において,乗客の行動をモデル化したものです.新たに乗車する乗客の何人かだけが,バス内に空席を見つけることができることを表しています.このモデルをバス交通ネットワーク全体に拡張すれば,例えば,バスのサービス頻度を改善することの効果を明らかにすることに繋がります.最近では,カーシェアリングや自転車シェアリング,共同配送などの交通形態が登場するとともに,自動運転のようなネットワーク上の交通流に影響を及ぼす技術的進歩に注目が集まっています.これらのことを考慮して,様々な交通機関を対象として,交通ネットワーク上の旅客や貨物の移動をモデル化することに取り組んでいます.

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交通やサプライチェーンのネットワーク設計

旅客や貨物は,交通ネットワーク上を移動します.それゆえ,交通ネットワークの最適設計は,都市や地域の交通問題の緩和・解決に有用です.例えば,物流の観点から交通ネットワークを最適設計する場合,貨物交通の発生・集中・分布には,物資の発生・集中・分布,すなわち,物流需要が深く関係すること,さらには,物流需要が,サプライチェーンネットワーク上での製品や原材料の生産・取引・消費から派生することを考慮しなければなりません.

そのための一手法として,下図のようなネットワークを対象として,サプライチェーンネットワーク上での製品の生産量・取引量・価格・輸送量と,交通ネットワーク上の旅客と貨物の交通量を同時に算出する数理モデルの開発に取り組んでいます.製品の生産・取引・消費の担い手である製造業者・卸売業者・小売業者・消費者,製品の輸送の担い手である物流業者,および,交通ネットワーク上の旅客の意思決定や行動を記述し,交通ネットワーク上での旅客交通と貨物交通の相互作用を内包します.このような手法は,交通ネットワークとサプライチェーンネットワークの双方を考慮したスーパーネットワークモデリングと呼ばれます.また,最適化においては,大規模問題に適用可能なAI指向の方法論の開発にも努めています.

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研究室ウェブサイト

http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/its/