都市地域計画

都市の魅力と活力の創生に向けての実証研究

都市は、人々の生活や就業あるいは遊び・安らぎの場として様々な役割を果たす一方で、環境・エネルギー、交通、景観、土地利用などの面で多くの課題も抱えています。当分野では、都市の魅力を高め活力を生み出していくため、これらの課題解決に向けての理論的枠組みを構築するとともに、実際の都市においてその理論を活かしていくための実証研究を行っています。都市を観察し、都市を解析し、そしてそれらの成果を現実の社会で活かしていくことを目指しています。

教員

宇野 伸宏 ( Nobuhiro UNO )

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教授(工学研究科)

研究テーマ

情報提供と交通行動,交通ネットワーク評価,ビッグデータを活用した交通分析,ICTを利用した交通マネジメント,交通工学的視点での自動運転評価

連絡先

桂キャンパス Cクラスター C1棟 262室
TEL: 075-383-3226
FAX: 075-383-3227
E-mail: uno.nobuhiro.2v@kyoto-u.ac.jp

松中 亮治 ( Ryoji MATSUNAKA )

松中 亮治

准教授(工学研究科)

研究テーマ

都市内交通政策評価,都市環境評価,公共交通計画,都市内交通シミュレーション,持続可能な社会,都市・中心市街地の活性化,プロジェクト評価,交通行動分析,交通施設整備制度・財源,交通バリアフリー

連絡先

桂キャンパス Cクラスター C1棟 261室
TEL: 075-383-3225
FAX: 075-383-3227
E-mail: matsunaka.ryoji.3v@kyoto-u.ac.jp

西垣 友貴 ( Tomoki NISHIGAKI )

nishi

助教(工学研究科)

研究テーマ

ビッグデータを活用した観光行動分析、シェアモビリティと公共交通の連携性

連絡先

桂キャンパス Cクラスター C1棟 263室
TEL: 075-383-3228
FAX: 075-383-3227
E-mail: nishigaki.tomoki.6d@kyoto-u.ac.jp

 

研究テーマ・開発紹介

都市現象の解明-土地の利用形態や交通現象の分析とシミュレーション

都市における土地の利用形態や交通の状況は、日々、変化しています。また、都市に立地するそれぞれの都市活動主体は、都市の魅力や活力に様々な影響を与えています。そのような都市現象を解析するため、土地利用や交通に関するデータベースを構築して、数値モデル分析や多変量解析を通じて問題の構造を明らかにしたり、シミュレーションシステムを構築してそれらの現象を再現する研究を行っています。

下図は、構築しているデータベースの一例として、ある地方都市の中心部における駐車場(赤斜線)と商業店舗(青斜線)の分布状況を示したものです。駐車場が都市を駆逐してしまうほど多いことがわかります。このようなデータベースを多くの都市、多くの年次で構築し、様々な比較分析を行うことによって、中心市街地の活力低下など都市の持つ問題の構造を明らかにします。

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図-1 都心部の土地利用分布-商業を駆逐する駐車場-

都市整備事業の効果計測と財源制度論

道路・鉄道などの交通施設の整備や、都市計画事業の実施によって、都市にどのような効果がもたらされるかを都市モデルの構築等によって分析しています。また、それらの事業のための財源に関して、国際間の比較や、歴史的な変化を明らかにするため、膨大な量のデータベースを構築して分析しています。それらの成果は、書籍("Transport policy and funding" : Elsevier, 2006)としても公表しています(右下)。左下は、そのなかで各国の鉄道整備財源を比較した図です。

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図-2 左:鉄道整備財源の国際比較 右:Transport Policy and Funding

都市に活力をもたらす交通システムの構築

現在、実現することが期待されている交通政策には、社会的には便益が大きいにもかかわらず事業者の採算は成り立たないという「正便益不採算」の構造となっているものが多くあります。このような政策は、理論的には成立可能ですが、実際には採算性が問題となってこれまでなかなか実現してきませんでした。当分野では、実際の計画に参画しながら、理論的背景に基づく新しい仕組みを構築して、他の事業の先導となるような事業を実現させてきました。

都市計画のための理論は、良い都市を構築することにつなげてこそ意味のあるものと言えます。また、そのような実践の中から、さらに新しい理論や考え方を提示することができます。実際の交通政策策定の過程に参画し、日本や世界に先駆けた交通政策を実現しながら、さらに新しい考え方を提示していくことを目指して研究しています。

(下の写真は、当分野の研究成果を活かして計画段階から参画した交通システムの例。左:市民共同方式という新しい仕組みによって実現した京都・醍醐コミュニティバス。右:わが国初の本格的LRT(Light Rail Transit)・富山ライトレール)

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図-3 醍醐コミュニティバスと富山ライトレール

研究室ウェブサイト

http://www.urban.kuciv.kyoto-u.ac.jp/