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交通行動システム

当研究室では、実践を通じてしか学究は不能であると説いたパースやジェームズらのプラグマティズムを基本的な研究姿勢としつつ、土木・国土・交通・都市等の現場における実践的な人文社会科学研究を進めています。

教員

藤井 聡 ( Satoshi FUJII )

Prof.Fujii教授(工学研究科)

研究テーマ

土木工学関連(土木学会・交通工学研究会・都市計画学会・日本災害情報学会等)の研究を中心に、心理学(日本心理学会・日本社会心理学会・行動計量学会等)や教育学(日本社会科教育学会)や哲学(応用哲学会)等の諸学会に所属し、分野横断的な研究・出版活動を展開している。また、パースやデューイ等のプラグマティズムの考え方に基づき、こうした研究活動を実践活動の一貫として推進しており、都市・交通・国土計画についての実践活動や、言論・評論活動も併せて進めている。

連絡先

桂キャンパス C1-2 4階432号室

川端 祐一郎 ( Yuichiro KAWABATA )

助教(工学研究科)

研究テーマkawabata

交通インフラの整備を始めとする大規模な公共政策の計画及び推進に際して必要となる、社会的な合意の形成・維持や効果的なコミュニケーションのあり方、方法論について研究しています。最近行っているのは物語型のコミュニケーションが人々の態度に与える影響についての研究です。「物語」は工学の分野では聞き慣れない言葉だと思いますが、心理学等の領域では人間が物事を認識・解釈する際の根源的なフレームワークの一つとして研究されてきています。近年では心理学、社会学、言語学、脳科学、医学などの分野において、物語型のコミュニケーションがいかに人々の心や行動、関係性を変化させるかについての、実証的な知見が蓄積され始めています。我々は、こうした知見を公共プロジェクトに応用することを企図し、実験心理学的な方法を用いた研究を行っています。

連絡先

桂キャンパス C1-2 4階433号

研究テーマ・開発紹介

総合的社会科学に基づく「国家政策論」(国土・経済・産業・財政。貿易のマクロ政策論)

都市・各地域における経済や社会、文化に関わる諸活動は、日本全体の「国土・経済・産業・財政・貿易等についてのマクロな諸政策に決定的に左右されます。本研究室では、そうしたマクロな視点から、日本がより豊かで、かつ強靭な国家となり、それを通して国民一人一人が豊かな暮らしや安寧を得ることを目的とした、マクロな国土政策論、経済産業政策論、財政政策論や貿易政策論、マクロ経済学や社会学、政治経済学、社会心理学等の社会科学を総合的に援用しながら研究します。また、こうした研究成果の中でもとりわけ社会的・政治的な影響が予期される研究成果についてはジャーナリズム(新聞、一般書等)での発表活動も研究活動の一環として進めています。

(参考文献)

  1. エマニュエルトッド、柴山桂太、中野剛志、藤井聡、堀茂樹、ハジュンチャン:グローバリズムが世界を滅ぼす、文春新書、2014.
  2. 藤井 聡(編著):経済レジリエンス宣言 「強靭」な日本経済を求めて、日本評論社、2013.
  3. 藤井 聡:公共事業が日本 を救う、文春新書、2010.
  4. 藤井 聡:正々堂々と「公共事 業の雇用創出効果」を論ぜよ~人のためにこそコンクリートを、日刊建設工業新聞社、2010.
  5. 中野剛志:『自由貿易の罠』、青土社、2009.
  6. 中野剛志:『恐慌の黙示録』、東洋経済新報社、2009.

公共政策に資する「実践的な人文社会科学研究」(物語・ナショナリズム・地域愛着研究)

行政が行う国土・都市・地域についての「計画」やそれに基づく「政策行為」、あるいは、住民やNPOが参加しながら進める「まちづくり」、さらには、一般の人々が織りなす様々な「企業活動」はいずれも、それを行おうと考える人々の動機や思い、あるいは、熱意無くして進むものでは決してありません。逆に、どれだけ不十分な資源(資金や人材、組織など)しかなくとも、そこに人々の「思い」や「熱意」さえあれば、徐々にそのような「資源」が調達され、集まり、遅かれ早かれ、様々な活動を展開されるに至ります。本研究室では、そんな人々の社会的な活動に資する人文社会科学研究を「物語」(narrative)や「ナショナリズム」(nationalism)、「主観的幸福感」(subjective well being)の考え方をを手がかりとしながら、実践的に行います。

(参考文献)

  1. 藤井 聡:新幹線とナショナリズム、朝日新書、2013.
  2. 藤井 聡:強靭化の思想、育鵬社、2013.
  3. 藤井 聡:プラグマティズムの作法~閉塞感を打ち破るこころの習慣~、技術評論社、2012.
  4. 藤井 聡:土木計画学-公共 選択の社会科学-、学芸出版社、2008.
  5. 中野剛志:国力論、以文社、2008.
  6. 中野剛志:経済はナショナリズムで動く、PHP研究所、2008.

社会心理学・計量経済学を活用した土木・交通・公共政策に資する「技術開発」

国土計画や交通計画、都市政策や地域政策を進める際には、様々な「技術」が必要とされています。例えば、交通計画を予測するときには「交通需要を予測する技術」、渋滞緩和や地域防災力の向上や公共政策の合意形成を図るには「人々の意識や行動の変容を促すコミュニケーション技術」(モビリティマネジメントやリスクコミュニケーション)、交通を通してまちづくりを進めるためには、「新しい道路の使い方に関する技術」(シェアードスペース)等がそれぞれ必要となります。本研究室では、こうした「技術開発」を社会心理学や社会的ジレンマ研究、そして、計量経済学等を援用しながら、かつ、現場の行政やコンサルタントの方々と一緒になって実務への導入を目途としつつ、実践的に進めています。

(参考文献)

  1. 藤井 聡、羽鳥 剛史:大衆社会の処方箋-実学としての社会哲学、北樹出版、2014.
  2. 藤井 聡:なぜ正直者は得を するのか-「損」と「得」のジレンマ-、幻冬舎新書、2009.
  3. 藤井 聡:社会的ジレンマの 処方箋:都市・交通・環境問題の心理学、ナカニシヤ出版、2003.
  4. 藤井 聡・谷口綾子:モビリ ティ・マネジメント入門:~「人と社会」を中心に据えた新しい交通戦略~、学芸出版社、2008.

教育方針

研究室では,配属された学生にまず公共政策のための心理学をはじめとした社会科学の諸領域の基礎をスタッフから講義します.その上で各学生は,それぞれの研究テーマ毎の基礎的文献を学習しながら,当該テーマに関連する外部の様々な方々と一緒に,それぞれの現場で作業を進めていきます.

一方,研究室の合宿では,各々の研究テーマは一旦さておき,こうした研究活動の背景にある考え方についての解釈論や,より一般的,教養的な内容について話し合います.こうした活動を通じて,一人一人が,この研究室が,ひいては大学や学会が,あるいは国や地域や社会そのものが,それぞれ一体何のために何をしているのか,ということの認識をスタッフも含めて皆で深めていくことを企図しています.そして,こうした組織的な研究活動に従事することを通じて,若い学生に自分自身よりも大きなもののために働くということの経験と,その楽しさや醍醐味を提供していきたいというのが,「教育機関」としての本研究室の願いです.

研究室ウェブサイト

http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/